人生に役立つ1冊 私を変えたキッカケ本

「めぞん一刻」

高橋留美子(小学館・ビッグコミックスピリッツ)

どんな人にだって
素敵な出会いは必ずあります。

18歳の頃は、王道の少年漫画誌よりも、おじさんが読むような青年漫画誌の方が好きでした。なかでも高橋留美子さんの『めぞん一刻』は、私の考え方を変えてくれた作品です。亡き夫の惣一郎のことを心に深く刻んでいる未亡人・響子を好きになってしまった主人公の裕作。彼が、響子の惣一郎への想いもすべて含めてずっと響子を愛していくことを誓ったラストシーンで号泣しました。誰かを愛するということは、その人の過去や傷も含めて大事に思えることなんだなと。主人公の裕作は世間から見ればパッとしない冴えない大学生ですが、それでも人を愛する優しい心があれば、こんな素敵な出会いに恵まれます。響子のように癒えない過去の記憶があっても、自分を愛してくれる誰かが必ずいます。また、そんな2人を温かく見守ってくれる人々もきっと現れます。今は悩みや苦しみがあっても、希望を持って毎日を生きて欲しいです。

今回本を紹介
してくれた先生

経営学部
坂本 理郎
教授

経営学部教授。1970年大阪市生まれ。「キャリアの心理学」「キャリアカウンセリング」などを担当。もともとは大学で心理学を専攻、大学院で経営学を学ぶ。趣味は鉄旅。 デパート販売員やキャリアカウンセラー、経営コンサルタントなどの職業経験がある。